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本・ガジェット好きのラーニング・ジャーナル

【本の紹介2】『知的生活の設計―――「10年後の自分」を支える83の戦略』 堀 正岳(著)

 

 本書では、知的生活を送るための戦略が83個紹介されています。

 知的生活とは、新しい情報(本でも、映画でも、その他の趣味でなんでもありです。)との出会いと刺激が単なる消費にとどまらず、新しい知的生産につながっていく生活のことです。

 本書の最初の方で、「知的生産」と「知的消費」という概念が出てきますが、今までの自分の生活様式はどちらかというと「消費」メインで、「生産」という視点が少なかったことに気づかされました。

 だから、いろいろな本を読んで面白かったり刺激を受けたりしたけれども、それで終わりということがほとんど。まあ、多少なりとも自分の考え方などには影響を与えているので、役に立たなかったということはないとは思いたいんですが、読んだ量の割には、本を題材に「知的生産」を行うという行為が不足していたんだなということが分かりました。

 

 どうしたら、知的生産ができるのかについてですが、 

info-storage.hatenablog.com

 にも書いたように、読書に関しては、読書ノートを育てていく中で、知的生産らしきことができるのではないかなと考えています。また、このブログ記事を通して、知的生産を積み上げていきたいとも思っています。

 

 著者は、日々の「知的生活の積み上げ」をすごく意識していて、それが3年、5年、10年後には大きな差となって現れるということを強調しています。
 1週間で1冊きちんと読めば、1年で50冊、5年で250冊、10年で500冊。それが2冊なら、1年で100冊、5年で500冊、10年で1000冊。1年位だと、50冊くらいの差しかないのかと思えるかもしれないですが、10年続けたら、500冊の差。すごく大きいですよね。

 

 量が全てではないですが、量をこなさないと話にならないとも思います。そういう意味でも、「知的積み上げ」を意識しながら日々を過ごすというのはとても大切だなあと感じました。このサイトでも、記事を週2本ずつ書いていけば、1年で100本、10年で1000本。すごい数ですよね。いきなり1000本とかは、想像もできないですが、日々の積み重ねをきちんとしていけば、それも可能になるんですね。ぜひ、意識してみたいと思います。

 

 他にも、Evernoteの使い方についても、参考になった点があります。
 「情報の一時置き場のノートブック」と「価値ある情報が蓄積するノートブック」を明確に分けて、二つが混じらないようにするということ。


 Webのクリッピングなどは、どちらかというと前者。読書ノートなどはどちらかというと後者になるのかなと思います。今は、自分のEvernoteの中には、いろいろなものが混ざり込んでいて使い勝手が悪くなってしまっている状態です。(本棚もそうですが、どうも整理整頓が苦手で…)「一時置き場」と「蓄積」という視点を意識して、整理してみたいと思います。

 

【引用ベスト3】

 情報や知識それ自体は多ければ多いほど良いものと思われがちですが、情報それ自体はすでに検索可能なコモディティ(同質的、普遍的なもの)と化しているため、情報量そのものよりも、むしろ、適切な場面で適切な情報を引き出すことができる「情報の編集能力」にこそ価値がある―という点です。ここに、知的生活による積み上げを実践する意味、そしてメリットがあるといえます。

 

未来にどこまで到達したいかを意識して今日の活動量を決めることが「知的生活を設計する」ということなのです。

 

読んだ本に価値はなく、読まれていない本にこそ価値があるというこの言葉は、一瞬逆ではないかと不安になるものの、よく考えるとなるほどそのとおりだと頷けます。私たちは決してすべての本を読むことはできませんし、世界中にある音楽も映画も網羅し尽くすことはできません。どんなに究めてもその外がわにはさらに大きな探求すべき情報が広がっていて、私たちに誘いかけてきます。自分の無力さにあきれつつも駆け出しの頃の素直さで「自分はなにも知らないな」とアマチュアの気持ちで次の一歩を踏み出せる場所。それこそが知的生活の最前線であり、私たちが日々の情報との戦いのなかでできるだけ長くとどまりたい場所なのです。