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本・ガジェット好きのラーニング・ジャーナル

【本の紹介5】モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書 尾原和啓(著)

 

  

 今日ご紹介する本は、尾原和啓さんの『モチベーション革命』です。


本書では、30代以下の世代を

 生まれたころからすでに何もかもが揃っていたので、物や地位などを欲して頑張ることはない。 埋めるべき空白が、そもそもないのです。そう、あなたには生まれたときから「ないもの」がない。だから何かが欲しいと「乾けない」。

とし、「乾けない世代」と呼んでいます。


 本書が出版されたのは3年前くらいですので、今ですと40代前半くらいまでの方が「乾けない世代」に該当するのかもしれません。


 一方、それより上の団塊の世代中心とした世代を「乾いている世代」としています。

  本書は、「乾けない」世代の方々にとっては、自分自身がこれからどういう方向で何をモチベーションに仕事をして行ったらいいのかという指針になります。逆に、それより上の世代の方々にとっては、「最近の若いのは…」と言う前に、そもそもモチベーションのあり方が違うので自分たちと同じような動機づけではうまくマネジメントできないということを理解したり、自分の働き方を見直したりするのによい本だと思います。


 ちなみに自分はというと、「乾いている世代」と「乾けない世代の」中間くらいのちょうど過渡期的な世代なのかなと思います。


 アメリカ人心理学者のマーティン・セリグマンによると、人間の欲望というのは、「達成・快楽・意味合い・良好な人間関係・没頭」の5つからなるそうです。

 「乾いている世代」にとっては、「達成・快楽」といった欲望が多くなり、「乾けない世代」にとっては、「意味合い・良好な人間関係、没頭」が主な欲望となるそうです。

 ですから、「乾けない世代」のモチベーションにおいても、

 「自分が頑張る意味が持てるもの」に「自分が好きな人たち(家庭・友人など)」と「とことんハマる」ことを重要視する。金銭や物理的な報酬とは関係なく〝自分の好き〟を追求する。

という傾向があるそうです。


 このように自分の周りに対して自分の好きなことだけをやっているような状態だと、最初は、「社会がどんどん小さくまとまる感じになっていってしまうのかな?」と思ってしまいましたが、よくよく考えると「没頭」していたら、いつの間にか世界で活躍していたということもあるのかなと思います。


 尾原さんが本書で言いたのは、最初のモチベーションが、「乾いている世代」の場合は、最初から世界で活躍するということだったのが、「乾けない世代」の場合は、「好き」を追求していたら、いつの間にか世界で活躍していたという状態なのかなと…。

 

 他に面白いなと思ったのは、「ワークライフバランス」から「ライフワークバランス」になっていくという話です。

ワークライフバランス」というと、「ワーク」と「ライフ」のバランスをどうするのかというように「ワーク」と「ライフ」が切り離された形で、どっちを優先するのかに重点が置かれ、現在も「働き方改革」などの取り組みが行われています。

 これからは「ライフワーク」、つまり、たとえお金にはならなくてもついつい取り組んでしまうような、好きで好きでたまらない〝生きがい〟がより大切になる。そして、その方が、ユーザーの潜在的な欲求や、購買意欲のツボである「インサイト(新しい視点)」をすくい上げる時代にマッチした働き方なのではないかと指摘されています。


 自分の場合は、もうアラフィフなのに、まず自分の「ライフワーク」って何だろう?から始めるような状態ですが、いろいろとチャレンジしながら、振り返ったら、いつの間にか「ライフワーク」に没頭していたなんていう状態になっていたらいいなと思います。

 「好き」や「没頭」って作ろうとして作れるものじゃなくて、いろいろとチャレンジしていたらいつの間にかそうなっていたという側面もあると思うので、チャレンジする部分はある程度戦略的に、でも、そこから先は運任せみたいな感じで進んでいけたらいいかなと思います。

 

引用ベスト3

 

ビジネスはプロデューサーの時代へ

 すでに世の中には必要最低限のものは溢れています。今は「どう遊ぶか」までを、提案してあげなければなりません。相手の潜在的な欲求を見つけ出して、体験をプロデュースしていくのが、これからの仕事なのです。

 

「他人に迷惑をかけちゃいけません」という現代の呪い(ありがとうの返事はおたがいさま)

 ほとんどの日本人は、小さいころから両親や学校の先生にそう言われて育ってきました。そんな人々にとって、誰かに迷惑をかけることは「悪」です。だから、常に「他人から見てどうか(迷惑になっていないか)」を気にして生きている。やがて他人の目線や他人の評価軸を取り込むことに慣れ切った人々は、何か行動を起こすときも、自分がどうしたいかより、他人から見てどうか、他人に迷惑をかけないかを一番に気にしてしまいます。

(中略)

 インドでは日本の反対で、親は子に対して「あなたは誰かに迷惑をかけて生きていかなければならないのだから、他人の迷惑も受け入れてあげなさい」と言うそうです。

 

どうやってライフワークを増やしていくか?

 「ライフワーク」の部分を広げていくには、まず自分のなかで「ライスワーク」と「ライフワーク」を明確に使い分けることが大事です。「ライスワーク」を、「ライフワークに自分が没頭できるためのお金と時間とリソースを生み出すもの」と捉えてもいいでしょう。それくらい割りきって、平日は目の前の仕事に集中して、お金を稼ぐ。そして、帰宅後や週末になったら「ここからはライフワークの時間だ」と切り替え、好きなことや自分が得意なことに時間を投資し、磨いていく。

 そうしていくうちに、「好き」が「得意」になり、「お金」になり、「世界が求めること」と合致したとき、4つの点が重なり、「生きがい」で稼げるようになっていきます。そして、「ライフワーク」での稼ぎが、「ライスワーク」に頼らなくてもよくなってきたころ、あなたが「生きがい」を追求して生きていく人生が本格スタートしていくのです。